ヨム

歌右衛門伝説/渡辺保

今月の歌舞伎座は歌右衛門五年祭追善ってことなので、読んでみた。こういう芝居をした、このように美しかったという話はもちろん興味深かったのだけれど、カモメがずっと不思議に思っていた「なぜ息子たちは高砂屋、加賀屋なのか」の事情が書かれていたのが…

銀齢の果て/筒井康隆

最近、数だけはそれなりに読んでいるんだけど、どうも心が動くような感じがする本がない。何を読んでも、「ふーん」とか「へー」とかで終わってしまう。選び方がヘタになったか、感受性が鈍ったか。どっちにせよ、あまりいい傾向ではない。 とりあえず、せめ…

悪意の手記/中村文則

もう20年以上前、自分は本当はもう死んでいるのに生きているフリをしているような感覚で過ごしていた頃があった。逆に、生きているんだけど死んだフリをしているような気分になることもあった。その感覚を思い出した。自分の犯した罪をやっとのことで咀嚼し…

様々なスポーツ誌

ロッテ優勝特集号を一通り買って読んだ。Numberがいちばん面白かった。サンスポはダメダメ。どれも嬉しそうなボビーが表紙の中、赤星を表紙にしたSports Yeah!は賢いと思う。

瀬戸内晴美集〜新潮文学全集58

『花芯』をはじめ、『夏の終り』『妬心』など私小説的な色の濃い、連作を含めた10篇を集めた短編集。20年ぶりに再読。 たとえば一流アスリートと呼ばれる人たちは、もちろん日々努力を重ねてはいるのだろうが、才能、資質にも恵まれているんだろうと常々思う…

テレプシコーラ/山岸凉子

ダ・ヴィンチを立ち読み。そして深読み。 以前からぼんやりと「ああ、この子は脱落するな」と思っていたひとみちゃんの去就が怪しくなってきた。舞姫への道から落っこちると思っていた理由は、名前に植物というか自然の物を含まないから(おい)。「千花」*1…

傾く滝/杉本苑子

『女形の歯』を読みたくて図書館で全集の21巻を借りようとしたら、貸出中だったので、これを借りてきた。八代目團十郎のお話(フィクション)。 七代目は十八番を定めたり勧進帳の初演をした人だよね。贅沢が過ぎるって江戸追放になったのもこの人だっけ?んで…

黒いカクテル/ジョナサン・キャロル(Black Cocktail/Jonathan Carroll)

久々に面白い短編集を読んだ。ダークファンタジーっていうんだろうか。どれも苦く捩れていて痛い。救いがない結末の話が殆どなのに陰鬱ではないのは、ケッチャムのような理不尽さがないから?黒いカクテル―ジョナサン・キャロル短編集〈2〉 (海外文学セレク…

コインロッカー・ベイビーズ/村上龍

IMDbをうろうろしていたら見つけた。 http://www.imdb.com/title/tt0451019/?fr=c2l0ZT1kZnx0dD0xfGZiPXV8cG49MHxxPWNvaW5sb2NrZXJ8bXg9MjB8bG09NTAwfGh0bWw9MQ__;fc=1;ft=7;fm=1 なんとも豪華というか、ワケわからないというか、なんだそりゃというキャスト…