團菊祭五月大歌舞伎夜の部(2006/05/18@歌舞伎座)

kamome142006-05-18

傾城反魂香 将監閑居の場

時蔵の世話女房ぶりが良かった。なんとなく情が薄く見えてしまうことが多い人だけど、今回は全然そんな風に感じなかったし。三津五郎との息もぴったりで、安心して見ていられる。しかし何度見ても「名字ちょーだい」「吃りだからダメ」って、意味わからん。

保名

保名は恋を失って憂いているだけで、正気を失ったふうには見えなかった。ところどころとても色気を感じる部分があって、でもそれが清潔感のある色気。そこが好きなんだけど、保名ではないよね、それって。

藤娘

なんだかスゴイもんを見てしまった気がする。パッと照明がついたとたん、「でかっ」とのけぞってしまった。なんてガタイの良い藤の精。海老蔵の身長が実際何センチかとかは知らないが、とにかくデカく見えた。女形の勉強なんてしていないだろうし必要もないんだろうが、それにしても。踊りそのものや雰囲気はともかく、あの美しい顔がどんなふうになるんだろうと期待していたのだけれど、それもちょっと期待ハズレだったような。

黒手組曲輪達引

やっぱり菊五郎劇団の立ちまわりは華やかでいいな、とか、亀蔵はもっと派手に股くぐりして欲しかったな、とか、いろいろと思ったが、雀右衛門を見ていたら切なくなってしまった。動きの少ない踊りを見れば「台詞なんて少なくていいから芝居を観たい」と思うんだけど、あの程度の量の台詞でもプロンプが必要で、二人に割って入る場面でも男衆の肩から手を外せなくて、という姿を見ると、年齢って残酷だと思う。ただでさえ揚巻の衣装って重そうだし、大変なんだろうなあ。
矢ガモ? 矢ガモはどうでもイイや。面白いと思う人もいるのであろう。