Marines○3(俊介)-Tigers●2(下柳)(2006/05/25@マリンスタジアム)

歌舞伎座から日比谷線京葉線と乗り継ぎ、マリンスタジアムへ。試合開始時には空席が目立ったが、試合が進むにつれて人がわらわらと増えてきて、ほぼ満員になった。平日なのにすごいなあ。さすがタイガース。
試合は、すっかり調子を取り戻した(と思う)久保がテンポ良く投げ、このところダメダメだった里崎が3ランを打ちと、うひゃひゃな展開。ところが阪神様は昨年の怒りをお鎮めくださらない。8回は藪田がしっかり抑えて9回。2点差でピッチャーがコバマサに変わると、なぜか大塚が右往左往(と言うより前往後往って感じか)し始めて1点差にされ、その上無死3塁、迎えるは金本。あああ、今日も負けちゃうのね。まーちゃんだってお疲れだろうし、ここで打たれても責められないわ。などと、アタマの中はネガティヴな思いだけがぐるぐるぐるぐるしつつ、祈る思いで見つめていると、
カキーーーーーン!
いやあああああ!!!!
と頭を抱えようとしたら、根元が、根元が、根元が横っ飛び。セカンドゴロ、アウト。いやもう、カラダ中の力が抜けましたよ。その後、濱中ショートゴロ、片岡三球三振と、これぞコバマサ劇場ってなエンディング。ホント、いろいろな芝居を見て疲れるは気持ちいいはの1日だったことだなあ。

團菊祭五月大歌舞伎昼の部 千穐楽(2006/05/25@歌舞伎座)

江戸の夕映え

ふむふむ、海老蔵菊之助松緑、それぞれのお祖父さん達への当て書きの戯曲なんですか。その中で実際に見たことがある(らしい)のは二世松緑だけ。現松緑はお祖父さんとは全然違うキャラ(ニンが違う?)だと思うのだけれど、要領よく世間を渡っているようで、かつては武士であった芯を失っていない大吉にぴったりはまっていた。こんなに良い役者さんだとは知らなかったさ。菊之助とのペアも、ポンポン言い合う場面でも、どこかしっとりとした空気があったりして、見ていて凄くいい気分になれた。

雷船頭

もひとつ松緑。この人の踊りってなんだかやる気なさげに見えることが多くて、「家元さんってこういうものなの?」なんて思っていたが、今回はとてものびのびとしているように見えた。江戸の夕映えの印象が残っていたせいなのか、本当に良かったのか、カモメにはわからないけど。

外郎売

対面物は舞台上が華やかで、いつもどこを見ていいんだかと迷ってしまう。しかしさすがに今回は五郎に釘付け。大きさというか立派さのある役者は他にもいるが、あのおおらかさは誰にも真似できないんだろうなと思う。ともあれ復帰おめでとうございます、な幕。あ、萬次郎がキレイでびっくりした。

権三と助十

最後の大家さん結婚ネタも面白かったんだけど、何と言っても時蔵。二幕目、夫婦喧嘩の際の転がりっぷりに驚愕。例えば福助なら、あれくらい派手に転がってもブラボー!な気分で見続けられる。でも時蔵だよ。なんの役でも品の良さを失わず、お姫様がいちばん似合う(とカモメは思う)時蔵が、あれだけ見事に転がり落ちるとは。なんかもうドキドキしちゃって、一瞬集中が途切れた。一幕目で大家さんに言われて奥に縄を取りにいき、「これはいりませんか?」とロウソクも一緒に持ってきたり、とにかく今まで持っていた時蔵のイメージが音を立てて崩れた芝居だった。いや、惚れ直しちゃったんだけどね。

五月大歌舞伎夜の部(2006/05/23@新橋演舞場)

宙乗りがあるので2階最前列と迷ったが、無知からの思い違いで、初めて「花横」を取ってみた。花道での派手な見栄はあまりなかったけど、迫力が違うなぁ。ただ、ホコリに弱いカモメ、鼻がムズムズするのには参った。

増補双級巴 石川五右衛門

吉右衛門、今月の三役の中でいちばんこれが好き。難しい筋もなく、吉右衛門の立派さにただただうっとりしていたら終わってしまっていた。相対する久吉が染五郎っていうのはバランスが悪い気がしたが、芝居が始まると特に気にもならずに「こういうもの」として楽しめた。にしても吉右衛門、見れば見るほど好きになるわ。

京鹿子娘道成寺

新米歌舞伎ウォッチャーのカモメ。道成寺には道行がついているものとばかり思っていた。歌舞伎座芝翫一世一代の花子をたまたま見ているんだけど、その時もあったと思うの(あやふや)。福助好きだし、七三の横で懐紙ゲット!とまでは思わないけれど、花道のすぐそばで見たら楽しいかなと思ってチケットを取ったら、道行ナシだっていうじゃないですか。なんでも「竹本連中」とクレジットされていなければ道行はないんですってね。常識らしいですね。ひとつ賢くなりましたよ、ええ。
で、肝心の舞台なんですけど。
とてもキレイだったと思うの。でも道成寺ってああいう踊りだったっけ。直近で見たのが玉三郎菊之助の二人道成寺で、あれはあれで特殊バージョンでしょ。歌舞伎チャンネルで勘三郎襲名時のを見たけど、実際に生で見たのは芝翫まで遡ってしまうので、はっきりと覚えてない。ただ、芝翫さんとずいぶん違うのね、ということだけはわかった。カモメは福助の持ち味である生々しさが好きで、きっと花子も生々しく情念に溢れたものになるんだろうと思っていたのよ。実際生々しくはあったんだけど、どこかあっさりしていて、道成寺は「様々な女を踊りつつ次第に鐘への執着が高まって行く」という踊りだと思っていたカモメには???な印象しか残らなかった。けっこうがっかり。
にしても、筋書を改めて見てみると、道成寺を踊る人って偏ってませんかね。時蔵を見てみたいのに、今まで1回しか踊ってない。何か決まりでもあるんだろうか。
そうそう、小坊主さんたち、やっぱり種太郎が群を抜いて良かった。年齢が他の子達より上ってこともあるんだろうけど。

松竹梅湯島掛額 吉祥院お土砂 火の見櫓

お土砂、あまりにくだらなくて笑った(褒めてる)。歌舞伎にもこういう、なんの風刺もなく笑うための芝居があるのね。
初めのうち吉三郎の様子が『決闘!高田馬場』の中津川を彷彿させて苦笑い。となると、吉三郎に迫る亀治郎のお七はホリかというとそういうわけでもなく、ホリほどのしたたかさのない一途で天然なお嬢さん。いい組み合わせのカップルだと思う。
後半はうって変わって、ひたすら亀治郎を(が?)楽しむための幕。なんでも出来るんだろうな、この人。
ところで「チッチキチー」って、何だろう。

その他感想〜

  • 信二郎。すっきりとした二枚目なんだけど、これといった印象がないという、カモメ的には橋之助とカブる役者だったが、『ひと夜』といい『お土砂』といい、いい味出してたなあ。
  • 夜の部の芝喜松。腰元、福助の後見、お杉。大変だろうなあ。
  • 花道のすぐ側で見上げていると、遠目にはキレイに見える女形さんもアレだったりするものだなあ。それでも芝のぶちゃんはかわいいなあ。

Marines○3(俊介)-Dragons●2(小笠原)(2006/05/21@マリンスタジアム)

鳥とコアラと龍?

8コも続けて勝っちゃって、そろそろ負ける頃なんじゃないかなぁ、とか、でも俊介だってそろそろ勝つ頃だよなぁ、とか、不安と期待がないまぜになりつつマリンスタジアムへ。てっきり川上憲伸先発と思っていたら、小笠原って誰。セリーグの選手ってほとんど知らないのよね。
初回にさっくりと2点取られてイヤンな感じだったが、2回以降の俊介はとても安定していた。立ち上がりに取られた点を取り返せないってのが、カモメに刷り込まれたマリーンズ像なのだけれど、なんとまあ取りましたよ、3点。1点ずつ犠牲フライでコツコツと。まるで黄金期のライオンズを見ているかのような逆転劇。次は交流戦アタマに連敗したタイガース。ここで負け越したりしないでね。お願い。

  • ベニーの三盗。一瞬何が起こったのかわからなかった。それが点になっちゃうんだから、谷繁が憤るのも無理はない。
  • 誰もがバントしか予測していない場面で見事なバントを決める川相。その瞬間「上手い」「上手いわ」「上手いな」とあちこちから感嘆の声@一塁側2階内野自由
  • 今年のコバマサはどーしてしまったのか。球が去年より速くなってるし、何より気迫が違う。みうちゃんが成長し、より厳しくなってきてるんだろうか。
  • 新しいリリーフカーのお披露目があったけど、デカすぎやしませんか、アレ。
  • 交流戦は相手チームのマスコットもやって来るから華やかでいいやね。ドアラじゃないマスコット(龍なんでしょうか)、不気味でかわいいやね。

團菊祭五月大歌舞伎夜の部(2006/05/18@歌舞伎座)

kamome142006-05-18

傾城反魂香 将監閑居の場

時蔵の世話女房ぶりが良かった。なんとなく情が薄く見えてしまうことが多い人だけど、今回は全然そんな風に感じなかったし。三津五郎との息もぴったりで、安心して見ていられる。しかし何度見ても「名字ちょーだい」「吃りだからダメ」って、意味わからん。

保名

保名は恋を失って憂いているだけで、正気を失ったふうには見えなかった。ところどころとても色気を感じる部分があって、でもそれが清潔感のある色気。そこが好きなんだけど、保名ではないよね、それって。

藤娘

なんだかスゴイもんを見てしまった気がする。パッと照明がついたとたん、「でかっ」とのけぞってしまった。なんてガタイの良い藤の精。海老蔵の身長が実際何センチかとかは知らないが、とにかくデカく見えた。女形の勉強なんてしていないだろうし必要もないんだろうが、それにしても。踊りそのものや雰囲気はともかく、あの美しい顔がどんなふうになるんだろうと期待していたのだけれど、それもちょっと期待ハズレだったような。

黒手組曲輪達引

やっぱり菊五郎劇団の立ちまわりは華やかでいいな、とか、亀蔵はもっと派手に股くぐりして欲しかったな、とか、いろいろと思ったが、雀右衛門を見ていたら切なくなってしまった。動きの少ない踊りを見れば「台詞なんて少なくていいから芝居を観たい」と思うんだけど、あの程度の量の台詞でもプロンプが必要で、二人に割って入る場面でも男衆の肩から手を外せなくて、という姿を見ると、年齢って残酷だと思う。ただでさえ揚巻の衣装って重そうだし、大変なんだろうなあ。
矢ガモ? 矢ガモはどうでもイイや。面白いと思う人もいるのであろう。

五月大歌舞伎昼の部(2006/05/16@新橋演舞場)

kamome142006-05-16

初めての演舞場。三階を探検に行き、西袖にモニターがあるのに驚いた。花道を映したりするんだろうか。だったら親切でいいよな。

ひと夜

エキセントリックな女(とその夫)に振り回される孤独な中年男。設定は大正時代だけど、現代のあちこちで起こっていそうなお話。雀右衛門が襲名興行でおとよを演じたそうだけれど、どうも可憐なイメージしかないので、ちょっと想像できない。

寿式三番叟

楽しくて見応えがあった。染五郎亀治郎、二人がこの年齢だからこその踊りだったんだと思う。5歳若かったらただ元気なだけだったろうし、5歳トシ取ってたらもう少し分別のある踊り(なにそれ)になるんじゃなかろーか。ただ、亀治郎はソロ向きのダンサーだな。種太郎がとても丁寧で良かった。三月に感心させられた壱太郎といい、十代の子たちがすごいぞ、歌舞伎。

夏祭浪花鑑

歌舞伎の型というのは美しいものなんだなあと再確認。福助、あのベタベタしたところが大好きなんだけど、このお辰はなんかちょっと。気っぷの良い姐さんキャラ、期待してたんだけどなー。