悪意の手記/中村文則

もう20年以上前、自分は本当はもう死んでいるのに生きているフリをしているような感覚で過ごしていた頃があった。逆に、生きているんだけど死んだフリをしているような気分になることもあった。その感覚を思い出した。自分の犯した罪をやっとのことで咀嚼し前へ進もうとしたところで、主人公の人生が(おそらく)終わる。やりきれない。

悪意の手記

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