文楽二月公演第一部(2006/02/21@国立劇場小劇場)

kamome142006-02-21

二度目の文楽はe+の得チケ。どの席になるかは当日までわからないので、オペラグラスを持っていった。チケットを受け取り座席を確認すると、床(って言うんですか?義太夫さんがいるところ)の真下と言っていい席で、こりゃオペラグラス使ったら変な人だな、と思う。文楽の主役は人形だとは思うんだけれども、どうもカモメは人間を見るのが好きで、ついつい人形遣い義太夫、三味線を見たくなってしまう。しかしこの席だと真横を見上げないと浄瑠璃の人たちが見えないわけで、センターステージを見ずに長々とそんな姿勢をとっていたら、これも変な人だ。つことで、時々ちらりちらりと床を見上げながらの鑑賞となった。この日は伝統文化チャンネルかなにかの録画があったらしい(またかい)。

弁慶上使

福助のおわさが記憶に新しいので、歌舞伎と文楽の違いを楽しめた。全体的に「くどくない」印象。生身の人間と人形の違い?歌舞伎だと、弁慶が18年前契った相手と知ったおわさが、瀕死の娘を忘れてぽーっとなっちゃうって部分が「おいおい」と突っ込みつつもおもしろいんだけど、文楽だとその辺あっさりしたもんなのね。
最初に出ていた豊竹新太夫って、たぶん昨年12月に初めて「文楽の楽しみ」を見た時に解説をしていた人だと思う。十九太夫に代わった後しばらくして、再び彼が出てきて傍らに正座した時は「何。義太夫の後見?」と不思議に思った(嘘)。まあ後見ってことはないにせよ、何をしているんだろう、と、ただでさえ人形だけに集中できないカモメの意識はあちこちに散る。新太夫はひたすら十九太夫をガン見し続け、結局終わり近くに、お白湯だかお茶だかポカリだか知らないけどそんなものが入っていたのであろう、十九太夫のお茶碗をささっと下げて、退場していった。……お茶下げ係?

関取千両幟

弁慶上使と違い、たくさんの義太夫が自分の台詞(とト書き)を語る。床は人でいっぱいになるわけで、なんかこう斜め上から威圧感が。圧巻だったのが鶴澤燕二郎の三味線。曲弾きって言うんですか、もうあんたはジミヘンかと(燃やさないけど)。いやー、ロックだった。
などと、舞台よりも床に気が行ってしまった数時間。十九太夫に一目惚れ(一聞き惚れ?)してしまったのは、誰にも内緒だ。