二月大歌舞伎昼の部(2006/02/10@歌舞伎座)

朝写真撮っといて良かった

早めに到着したのでお稲荷さんにお参りでもしよう、と行ってみると、普段と様子が違う。あの狭いスペースに緋毛氈のベンチ(?)が置かれていたり、奉納品が積まれていたり、奉納者一覧が貼られていたり。幕間、初午のお祭りをしてます、お汁粉を振る舞いますとのアナウンスが流れ、初午が何かもしらないくせに、再度ふらふら〜っとお稲荷さんに向かい、お参りして紅白の白玉のお汁粉をベンチでいただく。ふと顔を上げると、この数分の間にお汁粉待ちの列がかなり長くなっていたので、そそくさと退散。餡に紅白の白玉。今日はおめで鯛焼きは食べないでいいなと思った。

春調娘七草

まだお正月ですか、ってな気分になる踊り。毎月のように橋之助を見ているな、それもそれぞれ全然違った役をやっているな、と思う。

一谷嫩軍記 陣門・組打

子役を使った遠見がある、とだけ知っている狂言だったのに、その遠見のない演出だった。何年も前に天衣紛上野初花を初めて通しで観た時も、河内山と直侍の二役を幸四郎が演じていたし、この座頭さんは意欲的な人なんであろう。歌舞伎は同じ演目を何度も繰り返して上演することが多いから、同じ事ばかりやるのを役者魂が許さないのかもしれない。長く歌舞伎に親しんでいる人は演出を比べて楽しめるだろうが、初心者のカモメとしては「ええー、遠見ないのー、遠見ー」ってな気分になってしまうのは許していただきたい。福助、夜は出演しないので、今月はこの立役のみ。ちょっと残念。

お染久松 浮塒鴎

好きな役者さんは何人もいるけれど、何が何でもこの人!って言えるほどの贔屓はいない。そう思っていたが、ひょっとしてカモメは芝翫さんがいちばん好きなのかもしれない。先日、歌舞伎チャンネルの録画をDVDに焼いたものを眺めていて気づいた。たいてい録画しておき、1回見てから保存しておくか消してしまうか決めるのだが、DVDに焼かれているものは圧倒的に芝翫さんが絡んでいるものが多い。
そんなワケで、元気な姿を見ることができて、良かった。食事休憩後の演目の始まりって客席がざわざわしているのが常だけれど、今回はお汁粉の影響か遅れてくる人がかなり多く、橋之助菊之助が気の毒だった。

極付幡随長兵衛

筋書を読むと、どうやら吉右衛門が客席から登場するらしい。今回カモメの席は16列目の通路側。幕間の散歩を終えて席に戻ると、その通路前方、舞台に階段がかかっている。てことは、ここを通るのね。舞台に集中しながらも背後に気を配っていると、「ちょっとごめんなさいよ」と長兵衛がすぐ横を通っていく。なんかちょっと嬉しかった、えへへ。腹に一物の菊五郎というのは初めて見たので、新鮮だった。
昼の部は、もらったチケットでもう一度行く予定。