滝沢演舞城

S席12000円。それが2枚。嗚呼。

「カモメさん、松竹の会員なんですって?」
「はあ」
「お願い、タッキーのチケット、取って!」
「タッキー……。滝沢なんとかくんですか?」
「そう、秀明くんね。 どうしても○日のが欲しいの!」
「構いませんけど、平会員だからたいした席は取れないと思いますよ。そもそも取れるかどうかもわからないし」
「いいのいいの、ファンクラブ優先にも申し込んであるんだけど、不安だから」
頼みごとを断れる相手ではないし、ポイント稼ぎにもなるし、まあ電話してみましょう、と平会員の発売日に電話してみた。ものすごい争奪戦になるのかと思えどけっこうあっさりと繋がり、指定された日のS席2枚をゲット。
「もしもし、カモメです。チケット取れました」
「え?ああ、えーっと……」
「……あの、○日の。演舞場の」
「ゴメンなさいねえ、こっちも取れたのよ」
「……は?」
「だからね、いらない」
「……はい?」
「カモメさん、行ってみなさいよ。ステキよお。その日は特別なのよ、だって……」
立場上文句のひとつも言えないカモメ。しばらく滝沢なんとかくんの素晴らしさを聞かされ、脱力感いっぱいで電話を切った。ヤフオクに出すしかないだろうけど、短期間の公演ならともかく、あれだけ公演回数が多いのに捌けるんだろうか。なんかもう滝沢なんとかくんをテレビで見るたびに頭痛がしそうだわ。