新春浅草歌舞伎第二部(2006/01/20@浅草公会堂)

花形とは何歳くらいまでを言うのか

前から4列目。段差がないので見にくそうだったが、斜め前に座った人が忠臣蔵でずっと舟を漕いでいてくれて助かった。つか、3列目であれだけ眠れるのって凄いよな。

仮名手本忠臣蔵 五段目・六段目

勘太郎ならこう演じるだろうな、という勘平。芝居の出来不出来はさておき、油ののったベテランで見るよりも役の実年齢に近いような役者で見るのが好きな役柄があるんだけど*1、この勘平もそんな役柄のひとつになった。勘太郎の若さ青さいっぱいいっぱいさと勘平のそれとがマッチして、今この年齢だからこその芝居を観ることができたと思う。七之助のおかるは前段で勘平の自害を止めたはずの芯の強さが見えなかったが、かわいらしく健気だったのでそれでいいんだろう、きっと。腹切の場を通して、亀鶴の千崎が勘平を見る表情が印象的だった。郷右衛門は上司だけど千崎は友達なんだなぁというか。あとは獅童の定九郎、こういうワル格好いい役って合うのかもしれない。

蜘蛛絲梓弦

七之助獅童、赤白逆だろう、と最初のうちは違和感があったがすぐに気にならなくなったし、「なんの役にも立たない宿直」が二人にハマっていた(ごめんなさいごめんなさい)。こういうハデハデな踊りは初めて見たのですごく楽しかったー。亀治郎の多才さに感服。変化から一瞬蜘蛛の精の表情が現れまた戻る、あたりも上手いなあ。来週見に行く鳴神も楽しみ。
ところでカモメ、揚幕のシャランという音と照明に騙されたクチなんですが、薬売りはどこから出てきたんでしょうか。

*1:たとえば助六なら團十郎より海老蔵、弁天小僧なら菊五郎より菊之助で見たいっつーか。