寿初春大歌舞伎夜の部(2006/01/18@歌舞伎座)

最後の幕間。おみやげにおめで鯛焼きを買おうと思っていたら、もう売店は終わってしまっていた。ちゃんとアナウンス聞いてないとダメね。

藤十郎の恋

実際の初代坂田籐十郎がこの逸話通りの人だったのかは知らねど、新坂田藤十郎襲名にわざわざこういう演目を持ってくる意図がわからん。印象が悪くなることはあっても、共感を得ることはないと思うんだけど。3階から見下ろしていて、時蔵の死顔がとても美しかった。それだけ。

口上

そのうち調べてみよう、疑問その1。口上ってのは役者が素で(役になりきって芝居をするのではなくて)お祝いやら何やらを述べる場と解釈しているんだけど、正しいでしょうか。だったら女形だって実際は男なんだから、男姿で出てきてもいいんじゃないでしょうか。慣例ってことなんでしょうか。歌舞伎をあまり見慣れていない立場としては、どの人が立役でどの人が女形かがはっきりわかっていいんだけど。
そのうち調べてみよう、疑問その2。女形でも時蔵のように裃姿の人もいるのはなぜなんでしょうか。芝翫(今月お休みだけど)は裃、福助女形姿とか、親子でも違ってたりするのはなんで?

伽羅先代萩 御殿、床下

昔観た時*1は飯炊きで眠りこけてしまったし、新坂田藤十郎の口跡が好きになれなかったりもするんだけど、そんなことは気にならず、引き込まれるようにして観た。まず虎之介くんの名演。セリフと段取りを一生懸命覚えました、その通りにやってます、じゃなくて、ちゃんと芝居をしている。末恐ろしい。それから、それぞれの役者がきちんとまっとうに役を演じていて、誰一人として坂田藤十郎ワールドから逸脱していないこと。統制が取れているとでも言いましょうか。栄御前は芝翫休演で秀太郎になったらしいが、かえって良かったんじゃなかろうか。
床下は吉右衛門の大きさにうっとり(ってそれしか言えないのか)。幸四郎は、えーっと、なんだろ。なんつーか、姑息な感じの仁木だった。繊細そうというか神経質そうというか。仁木って、もっとどーんと「悪!」っていうキャラじゃなかったっけ。
けっこう空席が目につく今月の歌舞伎座だけど、この狂言は見といて損はないと思うさ。

島の千歳、関三奴

昼の万歳に続き、くねっていない福助白拍子から娘に変わってからは少々いつもの匂いがあったかな。眼福眼福。
関三奴は、特に何も思わなかった。一ヶ月くらい天井の掃除をしてないな、そろそろやらなきゃな、と、あの房がついた槍を振る姿を見ていて思った。

*1:筋書で上演記録を見ても、いつなのか思い出せない。高校生の頃歌舞伎座だったことだけは確かだから、歌右衛門だったのか?