絵本太功記(@国立劇場)

十段目は何度も見たけれど通しでは初めて。なんか客席に空席が目立って寂しい気分になる。一部分だけ上演されることの多い狂言を、通しで見ることができる企画って面白いと思うんだけど。

  • 團十郎丈休演で代役が橋之助と聞いたときの不安は当たらなかった。ニンとは思えないけれど違和感もなく、恥をかかされいじめられてキレたんじゃなくて、世のため人のためを思っての結果謀反を起こす、ってキャラが彼に合っていたと思う。ただやっぱり團十郎丈で見たかったのが本心。
  • 芝翫丈の久吉ってどうなの?これって最初からこういう配役だったの?それとも座頭休演のあおり?単にわたしが「芝翫女形」という定式から抜けきれないだけ?どうしても久吉がお公家さんに見えちゃうんですけど。ついでに魁春丈の十次郎もどうなの。
  • なぜか孝太郎が苦手と先月の国立でも思ったけど、どこが苦手かわかった。森蘭丸はすんなり入ってきて「おかしいな、苦手だったはずなのに」とか考えていたが、初菊になったらやっぱり苦手だった。どうも女形のときの声のトーンが好きになれないみたい。先月と違って初菊は「あああああー」と泣いてばかりだから、あまり気にならなかったけど。でも演技の引き出しの多い人だということにも気づいた。
  • 吉之丞丈(きちのじょうじょうって声に出すとヘン)、いいよなああ。深くて凛としてて品があって。
  • 種太郎くん、滑舌がんばってください。
  • 美術がキレイだった。かなり手(と金)が掛かってるんだろうなと思った。