貞操花鳥羽恋塚(@国立劇場)

社会人のための歌舞伎入門。知人が急用で行けなくなったと言うので、「あのわたくし社会人じゃないんですけど、よろしいでしょうか?」と、やや卑屈な気分で行ってきた(嘘)。楽に通しで観劇予定で、初めて観る狂言だから予習にもなるかな、と(南北の話ってわかりづらいし)。「社会人のための……」は初めて見たが、けっこう楽しい。今回のテーマは「舞台と仕掛けのひみつ」。大道具小道具や舞台装置の説明、引き抜き(これはちょっと失敗?)などなどが亀三郎の説明で進む。月によってテーマは違うようで、来月は「義太夫狂言のいろは」だそうだ。そっちの方がよかったなあ。
で、肝心の舞台は例の196年振りだとかの「筋交いの宙乗り」の場。話には聞いていたがすごい迫力だった。照明が落ち鳴り物がジャンジャンと鳴って、ぱっと明るくなったら、うわあこんなところに崇徳院が!松緑は高所恐怖症だそうだけど、いい顔してた。他の場も観てみないとわからないけど、十二夜の彼はあまり好きでなかったので、通しが楽しみだなっと。
これは筋交いに限った話ではないけれど、江戸時代なんて今みたいな強いワイヤーや技術もなかったろうに、「そうだ、役者をぶら下げて移動させてみよう」なんてよく思いついたもんだよな。でもって「わかりました、吊られてみます」って承知した役者もエライよな。