NODA・MAP『走れメルス−少女の唇からはダイナマイト!』@シアターコクーン(2005/01/12マチネ)

kamome142005-01-12

夢の遊眠社初体験がこの作品だった。中学生でなにもわからなかった。その後、遊眠社10周年企画でファンからのアンケートを元に再演された時の舞台を、大まかな台詞や展開を覚えてしまうくらい何度も観る機会に恵まれた。あれから19年ですかそうですか(遠い目)


深津絵里が芙蓉にピタリとはまっていたと思う。独特の透明感はいつものことながら魅力的だ。ただ後半壊れてゆく様子は「狂気だから絶叫まくし立て熱演」みたいなお約束感が漂っていて少々不満が残った。そういう演出だったんだろうか。この場面のみ86年の山下さんに1票。それともうひとつ、単に好みの問題だろうが、甲高い声の時の台詞まわしが、ちょっと。
相手役である中村勘太郎。彼の現代劇は初めて観たが、そつがないと言うか、非常に無難だった。純粋さはとても強く感じたが、できればそれが突き抜けた先の残酷さの部分ももう少し見せて欲しかったし、それができる役者だと思う。
もう一方の主役(?)コンビは、観ていて辛かった。いいとか悪いとかじゃなくて、なんだろう、河原雅彦の演技に説得力を感じられないでいたら、つられて小西真奈美まで色あせて見えてきてしまった感じ。それぞれ個人としては頑張っているのだろうけれど、アンサンブルとしてどうにもちぐはぐで、惹かれるものを感じなかった。
なんだかんだでいちばん良かったのは小松和重サモ・アリナンズ。こんな役者だったっけー、と感心しきり。4月の公演は久々に観に行ってみよう。