天衣紛上野初花(@国立劇場)
この狂言、通しで観るのは2度目。前回もやはり国立で、幸四郎が河内山と直侍の二役というイレギュラーな形だったので、ちゃんとしたの(ってのも語弊があるけど)を観るのは初めて。
12時に始まって4時過ぎに終わったんだから、別に上演時間が短いわけでもないのに、すごく早く感じた。つか、テンポが良かった。つか、せわしなかった。つか、あっけなかった。途中松江邸で眠くなりかけたけど、それ以外はどんどん話が進むって感じ。あっさりというのも違うし、軽いっていうんでもないし、なんなんだろう。幸四郎はいつも通り淡々と、でも決めるべきところは決めていた(んだと思う)。染五郎は粋やイナセじゃなくて妙にチャーミングで、悪党というより駄々っ子のような直侍だった。時蔵三千歳は相変わらずキレイなんだけど、もう少し色っぽいといいのになあ*1。この二人が絡んでも全然色っぽくないんだもん。
- 蕎麦の場面、直次郎の食べ方以前に舞台から漂ってくる匂いにやられた。
- 市蔵の小悪党ぶりが良かった。染五郎を「兄貴」と呼んでも違和感を感じないくらい若く見えた。
- 左團次、ニヒルでかっこいい!初役とのことだけど、とてもそうは思えない。
- 染五郎を魅力的と感じたのは、実は初めてだったりする。
- 「もうこの世では会わねえぞ」がなかった。よね?聞き逃した?んなワケないよね?ね?
- 着物姿の客は珍しくないが、振袖の娘さんがけっこういて「?」な感じだった。なんとか着物学院かなんかの団体さんが入っていたようだけど、その関係かしら。
- 作者: 河竹黙阿弥
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1997/08
- メディア: 単行本
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