伊豆に行ってきた その2

元ペンギン

なんの根拠もなく7時過ぎたらお風呂が込むような気がして、6時半起床。脱衣所に足を踏み入れ、出遅れたことを知る。行列こそ出来てはいなかったが、またしても人、人、人。それでも露天に出てなんとか場所を確保する。グループが多いが、その中にわたしのように一人でいる人もちらほらいる。と、そのうちの一人が、なんと、歌い出した。なんちゃらの力が〜世界を汚している〜だから手をつなごう〜とかなんとか。これまたシュールなことに、周囲のグループの女性達は歌う彼女を一瞥もせずに談笑を続けている。どうにもこうにも気持ち悪くなって、またしてもそそくさと退散。もうイヤだ。早く帰りたい。
部屋に戻り、朝食。梅粥の色がキレイで美味しくて、今日はこの梅粥のために生きようと気を取り直す。
チェックアウトして、逃げるように熱川方面へ。途中コンビニに立ち寄ると、駐車場でゴロゴロしていた野良猫2匹が訴えるような目をしてすり寄ってくる。1匹はいきなりごろんと腹を見せ「敵意はないですニャ。お腹減ってるですニャ」とアピール。血も涙もない人間を自負しているわたしだが、昔から猫にだけは弱い。野良に餌やっちゃいけないんだよなあと思いつつもチーカマを買って振る舞う。2本で満腹になったらしく、ヤツらの態度はいきなり素っ気なくなった。
さて熱川。目標はバナナワニ園ではなく、近くのハーブ園。思ったよりこぢんまりしたところで、ガーデンに入る前に併設のショップでチケットを購入するらしい。中に入ると愛想のいいおじさんが「こんな季節だから花は全然咲いてないんですよね。でも匂いを楽しんでください」と言いながら春の写真を見せてくれた。どうも個人経営のようだ。セールストークの多さには少々閉口したが、ハーブ好きなのがよくわかった。ガーデンはよく手入れされていて、一人でケアしてるんだったら凄いなあと思った。
そして次なる目的地は伊豆高原の「怪しい少年少女博物館」。カーナビ(古い)で確認すると、博物館があると思われる場所には「ペンギン博物館」とある。到着してみると、どうしても絶対誰がなんと言ってもペンギンの親子のオブジェだったと思われる物が、無理矢理怪しい人間に改造されて駐車場に立っている。ペンギン博物館が潰れて(かどうかは知らないが)、怪しい〜になったんだな。
中に入ると受付には無愛想なおじさんとお兄さんの間くらいの男性。この無表情さは天性のものではなくてここの方針だと思う、絶対。展示物は一言で言うとキッチュ。1階には昔懐かしいおもちゃや雑誌、レコードの展示や、古いファッションを身につけたマネキンなどがぎっしりと並ぶ。2階に上がると今度はおどろおどろしい世界になり、おもちゃもグロい物になる。驚いたのは、呪いのわら人形。セットで300円なり。セットってなんだよセットって、と見てみると、人形と短冊(?)と釘のセットらしい。「○○死ね」といった単純明快なものから「△△学園長××□□死ね」といった具体的なもの、「■■早く死んでね(はあと)。早く俳優になりたい」と、黒い願いと七夕様のお願いをいっしょくたにしてみました的なものまで、まああるある。ほんのりと黒いわたしになりつつ1階に戻り、離れの「夜の学校」へ。お化け屋敷関係が苦手って人は多いが、わたしはそうでもない。けっこう好き。しかし、ここは入れなかった。オットがこういうのダメダメだってのもあるが、入口からして「半端じゃなく恐ろしい」空気が漂ってるんだもん。なので、後ろ髪引かれながらも退却。駐車場に戻ると夜の学校から別のお客さんと思われる悲鳴*1が聞こえてきて、入らなくて良かったと心から思った。
本当は芦ノ湖成川美術館に寄りたかったが時間が足りなそうだったので諦めることに。湯本「初はな」で今日もお蕎麦。「ちもと」で湯もちを買って、強羅公園でも紅葉を愛でて、御殿場のアウトレットモールでさくっと買い物をして、さあ帰ろう。と思ったが、渋滞がひどい。どうせなら夕ご飯も食べて行こうってことで、御殿場IC付近をうろうろしてみる。寒いから鍋食べたいねってことで、ぱっと目についた「味膳」という和食屋さんに入った。外観はなんてことないお店なんだけど、中はレトロな家具や調度類が使われていて、お食事のお値段もそれなり。山海鍋を頼んだらぷくぷくぴちぴちしたキンメが出てきて、美味しいの美味しくないのって。わたし達の後から2組ばかり鍋を求めてやって来たが、売り切れだとかで帰って行った。先客1組は馴染みのグループみたいだったし、どうもマダムの道楽でやってる店と見た。
お腹がいっぱいになったところで帰途につく。目当てだった温泉はアレな感じだったが、その他が楽しかったので問題なし。あー、楽しかった。


熱川ハーブテラス http://www.herb-en.com/
怪しい少年少女博物館 http://ayashii.pandora.nu/

*1:「キャーーーーー!」じゃなくて「ギャーーーーーーーーーーー!!!!」