調教師/KARA COMPLEX(2005/11/10@シアターコクーン)

知人から招待ハガキがまわってきた。コクーンに着くと、引き替えのための列がかなり長くなっていた。有料入場者数ってどのくらいなんだろう。
昨今の芝居って、起承転結がハッキリしたものが多い。わたしが演劇を見始めた頃はアングラこそ下火になってはいたが、今のようにわかりやすい物語は少なかったように思う。なので、この舞台を観てすごく懐かしいような気持ちになった。全体の印象としては、なんとなく騒々しい舞台。主役脇役問わずに、登場人物がみな前へ前へと出てくる演出のためだと思う。個人的にはもうちょっとメリハリのある(脇は抑えて主は前へ出て)方が好き。調教する側とされる側、一見する側が主導権を握っているようでも実際はされる側にコントロールされているだけだったりして、ってのは、もう語り尽くされた感もあるよな。あ、でもおもしろかったんですよ、とっても。
以下、役者別の覚え書き。ほとんどの人が舞台では初見。
まずは、テレビや映画である程度どんな役者か知っている人。

  • 椎名桔平。セリフをかむのはいいが、律儀に言い直すので目立つ。気持ちが先走って口がついていっていない印象。回数を重ねるごとに良くなっていくタイプか?
  • 萩原聖人。上手い。すごく上手い。動きが的確。

舞台を観たことがある人。

  • 峯村リエ。笑いをとるような役柄しか見たことがなかったので新鮮だった。こういう芝居もする人だったんですね。なんかこう「失礼しました」と謝りたい気分。
  • 木野花。安心して見ていられた。

全然知らなかった人。

  • 黒木メイサ。この人のことは全然知らなかった。ロビーで売られていたカレンダーをパラパラと見て、とてもキレイな女の子だなあと思ったが、舞台上の彼女の方が(全然生き生きとした役柄ではないのに)ずっとキレイだった。機会があったら普通にセリフのある役を見てみたい。
  • 窪塚俊介。前半何度も「チョーク消し」と言っているのが気になって、「何?黒板消しのこと?今はチョーク消しって言うの?」なんて思っていたが、後半は「黒板消し」になっていた。それとは関係なく、間やテンポが絶妙。いい役者になっていくんではなかろーか。